Monthly art talk

毎月不定期で配信しているメールマガジン。このメールマガジンの人気コンテンツ「Monthly Art talk」では、毎月1つの名画または画家を取り上げて秘密のストーリーを紹介しています。「Monthly Art talk」の一部を、こちらで紹介しています。お子さんから大人まで、どうぞお楽しみください。

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© 2018 GrandPalaisRmn (musée du Louvre) / Michel Urtado
© 2018 GrandPalaisRmn (musée du Louvre) / Michel Urtado

Art talk 1

ワークショップで取り上げる名画
【レオナルド・ダ・ヴィンチの「モナリザ」(1503)】

あまりにも有名な作品ですが、これだけ多くの人々の心を虜にするポイントがいくつかあります。
1 輪郭をぼかす「スフマート」という絵画技法。
2 喜怒哀楽の読めないリサの表情。
3 不自然な左右非対称の背景。
他にも諸説ありますが、この絵の下には3つの下絵が隠されています。それだけ、ダ・ヴィンチが試行錯誤を重ね、精神を込めて描いた作品だろうということがわかります。
そして、そういった目に見えない部分をもつ作品というのは、本当に長きにわたって人々の心に訴えかける不思議なエネルギーがあると思います。
レオナルド・ダ・ヴィンチは、画家としても知られていますが、建築家、科学者、幾何学、解剖学、地質学、鉱物学、飛行力学…といった、ジャンルにとらわれない広域で活躍した人です。その本質ってなんだろう?ダ・ヴィンチの根っこに、ワークショップを通じて探求してみましょう。

Van Gogh Museum, Amsterdam (Vincent van Gogh Foundation)
Van Gogh Museum, Amsterdam (Vincent van Gogh Foundation)

Art talk 2

夏夏に思い浮かぶ一枚。

【ヴィンセント・ファン・ゴッホの「ひまわり」(1888)】

ゴッホの黄色の同系色でまとめられた鮮やかで豪華な「ひまわり」を知っている方も多いでしょう。
この「ひまわり」は7点あり制作年代は同じものの色や本数、技法が少しずつ異なります。最も有名なのが、4枚目に制作された黄色の同系色でまとめられたロンドン版の作品です。
そして、この名画「ひまわり」。日本と繋がりがあるのをご存じですか。ゴッホが、日本の浮世絵に魅了され日本への憧れを抱いていたことを知っている方も多いでしょう。
2枚目に制作された「ひまわり」(ひまわりの黄色と青色の背景が印象的)は、日本人の実業家が購入し、とても悲しい末路を辿ります。所有者である実業家山本が住む神戸・芦屋の邸宅に飾られていましたが、1945年の米軍空襲により焼失してしまいます。希少な名画が戦火により失われてしまったという、とても悲しいおはなしです。
真夏に思い浮かべる名画「ひまわり」から、核のない世界平和へつながりますように。

Raphael, Public domain, via Wikimedia Commons
Raphael, Public domain, via Wikimedia Commons

Art talk 3

学びの秋にふさわしい
【ラファエロ・サンツイオの「アテネの学堂」(1509)】


ルネサンス期の巨匠「レオナルド・ダ・ヴィンチ」と「サンドロ・ボッティチェリ」と同じ時代に生きる、ラファエロの代表作です。
「古代アテネの哲学」をテーマに、壁面いっぱいにギリシャ・ローマ時代の哲人が群衆となって集い、各々が討論をおこなっている様が描かれています。
ここで注目したいのが、中央に描かれた哲学者プラトンのモデルがレオナルド・ダ・ヴィンチであること。
ルネサンス期は、大航海時代に合わせて人々の生活は豊かになり、人文主義者も活躍し人々の心が豊かになった時代でもあります。中でも、哲学者プラトンの提唱した、美しいものを美しくあらしめる理想理念「イデア論」が注目されます。
名画「モナリザ」に、人間的で優しく美しい女性像が描かれていることからも、その時代の思想が想像できると思います。
人々が、プラトンの哲学をベースに「愛」を描きはじめた頃、ラファエロもダ・ヴィンチに大きく影響を受け、哲学という難しい題材を優しく柔和な雰囲気で描き上げたのです。
この名画「アテネの学堂」には、ラファエロ自身も描かれています。フレスコ画向かって右下、黒い服と黒い帽子を身に着け、こちらをひょこっと覗いているのが彼です。見つけてみてくださいね!