「ぼくは あるいた まっすぐ まっすぐ」
マーガレット・ワイズ・ブラウン / 坪井郁美ぶん、林明子え
ーこうやって いけば いいんだ ぼくは あるいた まっすぐ まっすぐ ここも まっすぐ いくのかなあ? ずいぶん たかいなあ
おばあちゃんから電話がかかってきて、ぼくがひとりで出かけます。いなかみちをまっすぐまっすぐ。途中、いろんな発見や気づき、驚きがありながらも、まっすぐまっすぐ...歩いて、ようやくおばあちゃんに会える絵本です。
どんなことがあってもまっすぐ歩くって、案外、勇気のいることかもしれません。おばあちゃんに会いに行くという挑戦も応援したくなる、心温まる物語。そして最後には、おばあちゃんお手製チョコレートケーキが登場。
レシピ本「絵本のお菓子」82ページでは、このシーンをイメージしたレシピを紹介しています。歩いたあとのケーキは、とびきり美味しいね。
「ババールの美術館」
ロラン・ド・ブリュノフ作、せな あいこ訳
ーあら?人間の世界でも見たことがあるような絵画や彫刻がありますよ。
使われなくなった鉄道の駅を、ババールが美術館に改造するお話。父のジャン・ド・ブリュノフが生み出した「ぞうのババール」シリーズは世界中で愛されている絵本です。
中でも、ババールの美術館(月曜休館)は、たくさんの友人が登場するのが印象的!
ピーテル・パウル・ルーベンス「画家と家族の肖像」
エデュアール・マネ「バルコニー」
レオナルド・ダ・ヴィンチ「モナ・リザ」
ラファエロ・サンツィオ「大天使聖ミカエルと滝」
ヨハネス・フェルメール「赤い帽子の女」
ジャクソン・ポロック「ワン No.31, 1950」
ウージェーヌ・ドラクロワ「民衆を導く自由の女神」
など...
あれ?見たことのある絵、見つけられたかな?
さあババールの作る美術館へ、アロンジー!
「富士山うたごよみ」
俵万智短歌・文、U・Gサトー絵
ー「寒いね」と話しかければ「寒いね」と答える人のいるあたたかさ
目に見えないことばが、目に見えない心を動かし、人を生かします。
俵万智さんのことばの力で、「立春」から「大寒」までの日本の伝統的な暦を、暮らしに笑顔を運ぶように楽しく描いて紹介している絵本。
U・Gサトーさんの伝統的な日本の美術工芸の粋を生かしたユーモアある絵画と俵万智さんの言葉が一緒になった、まさに絵本芸術です。
この本を叔母に勧められてから、ずっとオススメしています。忙しく過ぎる時代だからこそ、立ち止まって読んでいただきたい一冊。一家に一冊あっていいと思えるほどに、自然や季節、言葉に耳を傾けられるのです。
さあ季節や言葉の溢れる世界へ、アロンジー!
「ほしが ねむる ところ」
駒形克己作
ーある日の朝、川面に反射する光がまぶしく輝き、夜空にある星とは対照的に、まるで朝日に包まれながら、星がねむっているように見えた...。
夜空の星、星たちっていつ眠るの?どこで?
どんな風に休んで、今夜また輝くの?
そんな、優しい気持ちにさせてくれる本。ページをめくるごとに驚きがおとずれるこの仕掛け本は、紙質の違いや切り絵、光沢、コントラスト、全てがシンプルなデザインで構成されて、物語だけでなく本そのものの洗練された心地良さも感じずにはいられません。
フランスのグルノーブル市からの依頼で、2004年生まれの赤ちゃんのために作られた本。フランス、イタリア、スイスなど多くの国際児童図書として表彰されています。
造本作家/グラフィックデザイナー駒形克己さんの仕掛け本は、大人になっても大切にしまっておきたいシリーズ。
さあ美しい仕掛け本の世界へ、アロンジー!
「オリビア」
イアン・ファルコナー作、谷川俊太郎訳
ー「ほんとに あなたには へとへとよ。でも なんてったって あいしてるからね」「わたしもよ、なんてったって」
我が家の子どもたちが一番好きな絵本「オリビア」
主人公のオリビアとおとうとのイアンが可愛いのはもちろん、何よりも、「エンパイアステートビル」の砂のお城や、画家エドガー・ドガの「The Rehearsal of the Ballet Onstage, ca. 1874.」、画家ジャクソン・ポロックの「Autumn Rhythm #30」、マリア・カラスといったほんものの建築や作品、歌手が登場する、リアル感が交差する面白さは他にない世界観です。
子育て期のあるある!心理も織り交ぜながら、大人も楽しく、子どもと一緒に読める1冊です。
最後には、「ああ、ママはへとへとだけど、あなたらしくていいわ!愛してる!」って思える、心温まる絵本です。私たちもオリビアが大好き!
さあオリビアのいる世界へ、アロンジー!
「ART FOR BABY」
High-contrast Images by Eleven Contemporary Artists to Explore with Your Child
Outset Contemporary Art Fund and the NSPCC.
ー世界的に有名な近代アーティスト、ポール・モリソン、村上隆、ジュリアン・オピー、ブリジェット・ライリー、カジミール・マレーヴィチ、ダミアン・ハースト、パトリック・カウルフィールド、ヨゼフ・アルバース、ゲイリー・ヒューム、デイビット・シュリグリーが、モノクロで作品を紹介。
産まれたばかりの赤ちゃんさえ、そのモノクロのイメージが持つ視覚的面白さから何かを感じとれる、1ページ1ページがパワーのある構成です。
きっと、世界や物事、文字といったものを、はじめて理解しようとする、コントラストのはっきりとした現像。リズミカルだったり、ヴィヴィットだったり、落ち着いたものだったり。赤ちゃんになったみたいに、子供心でコンテンポラリーアートの扉を開いてみてください。
さあコンテンポラリーアートの世界へ、アロンジー!
「ケープドリとモンドリアンドリ」
ワウター・ヴァン・レーク作、野坂悦子訳
ーモンドリアンドリは、あたらしい 未来を さがしています。
未来をさがすって、どういうこと?
未来(みらい)って、なあに?
この絵本は、モンドリアンドリが時代おくれにならないように、未来をさがしにいくところからはじまります。そんなモンドリアンドリが気になって、あとを追っていくケープドリとツングステン。
みたこともないような、まぶしい あかり、プラットフォーム、かいだん、うるさい おと...。あまりにあたらしい世界の中で、いつしかツンングステンが迷子に!?
今までにないあたらしい世界は、水平と垂直の直線で分割され、赤・青・黄の三原色をもちいた、国際的に有名なオランダの画家 ピエト・モンドリアンの世界そのもの。
新しい絵画表現を追求した抽象画の先駆者モンドリアンと、ケープドリのユーモラスな世界がコラボレーションした、原色と一緒に踊りだしたくなるようなカラフルで楽しい絵本です。
さあモンドリアンドリの世界へ、アロンジー!