七夕から一夜明けた朝、
うっすらとまだ光の残る五色の星のかけらを拾いにでかける
あ。ここにも。こんなところにも。あっという間にカゴがいっぱいに集まった
手のひらにのせるとまだほんのりあたたかい
耳を澄ますと、なんとも楽しげなささやき声
子どもたちは、まだお布団の中かな...
わたしはその宝のかけらを、そっと土に埋めておく
子どもたちが見つけ出せるように、あまり深すぎないところへ
「キセツクラシのモノがたり」文月
詩・室礼 風間理紗
菓子 太田さちか
大きな三角形のもみの木みたいな南天の一枝
いただいて帰って おうちに生けよう
か弱く思えた早苗は
田植えの後に食べた みずみずしい枇杷の雫の感覚も消えぬ間に
すっと大地を掴み そよそよと風に揺れている
ころころとなんとも心地よさそうに転がる 青梅から 甘い香りがほわり
そっと耳をすませば
今年も あの まほうの季節がやってくるよ と教えてくれる
まほうにかかる少し前 いのちあるものは皆しばし透明になるらしい
水無月の氷が シャリリ
ひんやりとした梅の蒼滲む
透明なお空にたゆたいながら
赤い小豆が ホロロっと笑った
「キセツクラシのモノがたり」水無月
詩・室礼 風間理紗
菓子 太田さちか
ゆったりおったりの森 主宰 キセツクラシスト風間理紗さん